地球軸⑧ 「酸素」


日々、私たちは食事をとり、栄養素を体内に取り入れています。
筋肉が働くためには取り入れた栄養素を燃焼させ、エネルギーを作り出さなくてはなりません。
この過程をエネルギー代謝と呼んでいますが、栄養素を燃焼させるには酸素が必要です。
体内に栄養素はあっても酸素がないと、エネルギーを作り出すことができず、筋肉を動かすことができないのです。

運動をしているときにはよりエネルギーが必要であり、呼吸器も大きく働き、酸素を多量に取り入れます。
しかし、呼吸はエネルギー代謝のためだけに働いているわけではありません。
呼吸は「感情」と密接にかかわりあっているのです。

呼吸のコントロールは脳の中の「呼吸中枢」で行われますが「実は脳の中に呼吸中枢が3箇所もあること」を皆さんはご存知でしょうか?

呼吸には「随意性呼吸」と「代謝性呼吸」と「情動性呼吸」の3種類があり、3つとも「中枢の場所」が違っています。

随意性呼吸」とはリラックスしたい時や深呼吸の時など、自分の意志によって作り出す呼吸のことで、手や足を意識的に動かすときに指令を出すのと同じ「大脳皮質運動野」に中枢があります。

代謝性呼吸」とは無意識に行いながら、自動的に酸素や二酸化炭素の量を調節しエネルギー代謝を行う呼吸のことで、自律神経を支配している「脳幹部」に中枢があります。

そして「情動性呼吸」とは感情が変化すれば呼吸も変化するように、感情の変化によって左右される呼吸のことで、人間の感情を作り出していると言われている「大脳辺縁系の扁桃体」に中枢があります。

普段の無意識の呼吸は代謝性呼吸と情動性呼吸が同時に働いていますが、情動性呼吸は呼吸数の変化として現れます。

不安な状態のときには「速く浅い呼吸」になり、換気効率が悪く、代謝性呼吸にも良くない影響を与えますが、逆に瞑想やヨガなど(随意性呼吸)では呼吸がゆっくりになり、心や体が落ち着きます。

この「速く浅い呼吸」が長期化することで「酸素と心身の軸」は乱れやすくなり、それにより「自律神経失調症、呼吸関連の筋肉の凝り、猫背や背骨のゆがみ、胃などの下垂、肝機能の低下、便秘、呼吸器系疾患、パニック障害、うつ病」などの症状が出る可能性があります。

さらに「酸素と心身の軸」が乱れると、肩や胸だけで呼吸を行うため、肺の一部にしか酸素を届けることができずに血液中の酸素が不足し、認知症のように「脳」が大きくダメージを受けたり、発癌のリスクがあると言われる「活性酸素」(古くなった酸素)が体内に蓄積すやすくなるリスクが高まるのです。

スポンサーサイト